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口唇裂・口蓋裂 症例写真

口唇鼻修正術(口輪筋再建、鼻骨骨切り、鼻軟骨再建、鼻中隔再建)

 

 

画像の転載、複製、改変等は禁止

右唇顎裂の40代、女性の患者さんです。術後1年です。
成人前まで複数回の手術を受けてこられ、ご自身の時間的ゆとりが出来たために手術をご希望されました。

術前所見
口唇のノッチや瘢痕を認めます。また骨性斜鼻および軟骨性斜鼻を認め、鼻柱の著しい変位も認めます。右鼻孔底の陥凹も認めます。

術中所見
口唇:口輪筋の再建で修正しています。
鼻:鼻骨骨切りおよび肋軟骨を使用して斜鼻の修正をしました。過去の手術の影響で鼻軟骨は変形が著しかったために一旦取り外して、薄く加工した肋軟骨で再建しています。また変位した鼻中隔の位置調整と右鼻孔底に肋軟骨を移植することで鼻孔形態も整えています。鼻縁の形成は追加で皮膚の形成が可能ですが、希望されなかったため行なっていません。

斜鼻や口唇の形態も改善したため正面視は非常に改善しました。また鼻尖位置を修正し鼻軟骨を再建することで鼻翼の形態も改善していることがわかります。仰角写真でも鼻孔形態や鼻柱の傾斜がほぼ正常化出来ています。鼻孔上縁の形成は追加で皮膚の形成が可能ですが、希望されなかったため行なっていません。

文責:勝部

鼻修正術(隆鼻術、軟骨性斜鼻修正、鼻中隔延長、鼻尖形成)

画像の転載、複製、改変等は禁止

左唇顎裂の20代、女性の患者さんです。術後1年です。
これまで鼻の手術だけで4回手術を受けてらっしゃいました。鼻先が右に向いていることが気になる、そして複数回の手術で改善があまり得られなかったため手術に対する不安も強く感じていらっしゃいました。

術前所見
鼻尖が右にローテーションし、鼻尖もアップノーズになっていました。ご本人の気にされている鼻尖は今までの手術の影響で非常に硬くなっており、鼻翼基部自体も右側が頭側に変位していました。そのためローテーションの完全な改善は困難と判断し、バランスを改善することで目立ちにくくすることをご提案し、受け入れて頂きました。具体的には過去の手術で低めの鼻背に対して相対的に突出した鼻尖が逆に目立っていたため、バランスをとって鼻背を作ることで顔に馴染ませるというプランとしました。

術中所見
鼻背部には細片化した肋軟骨を留置して鼻筋を作りました。また軟骨性斜鼻については肋軟骨を用いて修正し、鼻尖を尾側に下ろすことで鼻孔が正面から見えにくくするようにしました。鼻尖部は複数回の手術により傷んだ鼻軟骨を薄く加工した肋軟骨で再建し、右鼻孔縁を尾側に降ろし、左鼻孔縁は逆に頭側に上げることで左右のバランス改善を図りました。

術前の予測通り、鼻尖のローテーションは完全には修正できておりません。しかし、突出することでかえって目立ってしまっていた鼻尖を馴染ませることで目立ちにくくなりました。また、鼻背を作り、鼻尖を下げることで鼻が長くなったことで顔も大人っぽい印象となっています。鼻を長くする操作については、お顔立ちによっては男性的になる方もいらっしゃいますし、本人の好みもあるため、術前によく相談する必要があると考えています。
後日、ご本人にとって一番気になっていた鼻が改善することで口唇の修正もご希望されました。こういったことは形成外科ではよくありますが、気になっている部位が一つ解決することで可能になるのステップアップだと思います。われわれ形成外科医にとって患者さんがステップアップしていって下さるのは非常に嬉しいことです。

文責:勝部

鼻修正術(隆鼻術、軟骨性斜鼻修正、鼻尖形成、鼻孔底引き締め)

*画像の転載、複製、改変等は禁止

左唇顎裂の40代、女性の患者さんです。術後1年です。
これまで複数回の治療を受けていらっしゃり、一旦治療は終了と言われていたそうです。ご本人も仰角写真でよくわかるように鼻尖の位置異常を一番気にしてらっしゃいました。

術前所見
全体的にお鼻は大きめですが、鼻尖、鼻背とも低めな状態でした。鼻尖には軟骨が移植されてましたがグラグラと浮動し右にズレている状態でした。
鼻自体が大きめなのでバランスを取るには、鼻尖を高くする必要があります。その場合、鼻背がさらに低くなってしまうため、全体のバランスを取るには鼻背をもう少し高くする必要がありました。また鼻孔の広がりや鼻孔底の陥凹を認めました。

術中所見
鼻背部には細片化した肋軟骨を留置して鼻筋を作りました。また軟骨性斜鼻については肋軟骨を用いて修正しました。鼻尖部においては鼻軟骨の形成をしましたが皮膚の余剰が大きく、それを補う形で鼻尖に以前の手術で移植されていた耳介軟骨を重ねて移植しました。鼻孔底部は口輪筋の再建を行うことで引き締め、左鼻孔底には肋軟骨を移植しています。

鼻筋がしっかりと通り、正中化することが出来ています。側貌では鼻尖がやや低く垂れている状態(polly beak deformity)も改善を認めます。鼻根部ができることで、眼鏡がズレなくなったとのことでした。鼻尖位置を修正し鼻翼を引き締めることで正面視でも鼻翼形態が改善していることがわかります。
ご本人も形態改善に非常に満足して下さっています。ついでに、鼻根部ができることで、眼鏡がズレなくなったことも喜んでらっしゃいました。

文責:勝部

鼻修正術(隆鼻術、軟骨性斜鼻修正、鼻尖形成、鼻孔底引き締め)

*画像の転載、複製、改変等は禁止

右唇顎裂の20代、男性患者さんです。まだ術後1ヶ月ですので傷痕がまだ赤みがあります。
これまで鼻の治療は受けたことがないということで、成長も終了したので治療を受けたいとのことでした。
正面から見た左右差などを気にしてらっしゃいました。

術前所見
唇顎裂の方では鼻中隔軟骨の健側変位は必発であり、それに伴う軟骨性斜鼻を生じます。また、大鼻翼軟骨が後退している上顎骨に牽引されることで鼻尖の下垂を生じます。この患者さんでは、これらの症状を認めます。また、鼻骨の成長はこのような軟骨の要因とは別にしっかり成長しますのでその差がハンプとして認められていると思われます。手術によってスッキリした感じにすることを望まれましたが、鼻尖を前方に移動することで右鼻翼はスッキリしますが、左鼻翼の張り出しが残ることが想定されましたので左鼻翼縮小(外側法)も同時に行うことを提案し了承されました。また、決して鼻根は低くはないのですが、もう少し鼻根を高くすることでハンプを削らなくても鼻背のラインを直線化することが可能となることや鼻背長を長くすることで精悍で男性らしい顔つきになることから鼻根の隆鼻(augmentation)をご提案し了承されました。

術中所見
肋軟骨を使用して軟骨性斜鼻の改善および、鼻中隔軟骨の上顎骨への付着部の位置修正をしております。また、その際に左鼻孔から触れる前鼻棘を削って修正しています。正面視にて鼻孔の見え方がなるべく左右対象になるように大鼻翼軟骨を回転させるように修正しました。鼻尖の位置を術前のシミュレーション通りに持っていき、それに合わせて、鼻根部に砕いた肋軟骨を留置し鼻尖の上部にも肋軟骨を留置して鼻背のラインが繋がるようにしています。最後に左鼻翼縮小を行いました。

鼻筋が通り、鼻背長が若干長くなることで男性らしい顔つきになったかと思います。また、鼻翼の状態も左右差があまり目立たずスッキリした形態が得られています。まだ術後1ヶ月ですので傷跡は赤みありますが、これからほとんどわからないレベルになると思います。唇裂の患者さんにおいて、正面視での鼻孔の見え方をコントロールするのは非常に難しいのですが、左右差が目立たない位まで改善できていると思います。
また、唇裂の患者さんでは鼻中隔軟骨の変位変形に伴う通鼻障害が非常に多いため、耳鼻科の先生にお願いして通鼻改善の手術も同時に行わせていただいております。本患者さんでも通鼻手術を行っていただき、鼻の通りがすごく良くなったと好評でした。
最後に、本人から「実は手術前には写真に写るのが嫌だった」と言われ、そういったコンプレックス解消に役立てたことが何よりの治療成果だったと実感しております。経過の写真をまた上げていく予定です。

文責:勝部