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口唇裂・口蓋裂 症例写真

1. 鼻形成術:成人期

口唇鼻修正術(口輪筋再建、鼻骨骨切り、鼻軟骨再建、鼻中隔再建)

 

 

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右唇顎裂の40代、女性の患者さんです。術後1年です。
成人前まで複数回の手術を受けてこられ、ご自身の時間的ゆとりが出来たために手術をご希望されました。

術前所見
口唇のノッチや瘢痕を認めます。また骨性斜鼻および軟骨性斜鼻を認め、鼻柱の著しい変位も認めます。右鼻孔底の陥凹も認めます。

術中所見
口唇:口輪筋の再建で修正しています。
鼻:鼻骨骨切りおよび肋軟骨を使用して斜鼻の修正をしました。過去の手術の影響で鼻軟骨は変形が著しかったために一旦取り外して、薄く加工した肋軟骨で再建しています。また変位した鼻中隔の位置調整と右鼻孔底に肋軟骨を移植することで鼻孔形態も整えています。鼻縁の形成は追加で皮膚の形成が可能ですが、希望されなかったため行なっていません。

斜鼻や口唇の形態も改善したため正面視は非常に改善しました。また鼻尖位置を修正し鼻軟骨を再建することで鼻翼の形態も改善していることがわかります。仰角写真でも鼻孔形態や鼻柱の傾斜がほぼ正常化出来ています。鼻孔上縁の形成は追加で皮膚の形成が可能ですが、希望されなかったため行なっていません。

文責:勝部

鼻修正術(隆鼻術、軟骨性斜鼻修正、鼻中隔延長、鼻尖形成)

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左唇顎裂の20代、女性の患者さんです。術後3年です。
これまで鼻の手術だけで4回手術を受けてらっしゃいました。鼻先が右に向いていることが気になる、そして複数回の手術で改善があまり得られなかったため手術に対する不安も強く感じていらっしゃいました。

術前所見
鼻尖が右にローテーションし、鼻尖もアップノーズになっていました。ご本人の気にされている鼻尖は今までの手術の影響で非常に硬くなっており、鼻翼基部自体も右側が頭側に変位していました。そのためローテーションの完全な改善は困難と判断し、バランスを改善することで目立ちにくくすることをご提案し、受け入れて頂きました。具体的には過去の手術で低めの鼻背に対して相対的に突出した鼻尖が逆に目立っていたため、バランスをとって鼻背を作ることで顔に馴染ませるというプランとしました。

術中所見
鼻背部には細片化した肋軟骨を留置して鼻筋を作りました。また軟骨性斜鼻については肋軟骨を用いて修正し、鼻尖を尾側に下ろすことで鼻孔が正面から見えにくくするようにしました。鼻尖部は複数回の手術により傷んだ鼻軟骨を薄く加工した肋軟骨で再建し、右鼻孔縁を尾側に降ろし、左鼻孔縁は逆に頭側に上げることで左右のバランス改善を図りました。

術前の予測通り、鼻尖のローテーションは完全には修正できておりません。しかし、突出することでかえって目立ってしまっていた鼻尖を馴染ませることで目立ちにくくなりました。また、鼻背を作り、鼻尖を下げることで鼻が長くなったことで顔も大人っぽい印象となっています。鼻を長くする操作については、お顔立ちによっては男性的になる方もいらっしゃいますし、本人の好みもあるため、術前によく相談する必要があると考えています。

術後3年が経過しました。特に変化なく形態は安定しています。ご本人がよろしければ長期的に見せて頂き、何か変化があればすぐに対応できるようにしたいと考えております。

文責:勝部

鼻修正術(隆鼻術、軟骨性斜鼻修正、鼻尖形成、鼻孔底引き締め)

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左唇顎裂の40代、女性の患者さんです。術後1年です。
これまで複数回の治療を受けていらっしゃり、一旦治療は終了と言われていたそうです。ご本人も仰角写真でよくわかるように鼻尖の位置異常を一番気にしてらっしゃいました。

術前所見
全体的にお鼻は大きめですが、鼻尖、鼻背とも低めな状態でした。鼻尖には軟骨が移植されてましたがグラグラと浮動し右にズレている状態でした。
鼻自体が大きめなのでバランスを取るには、鼻尖を高くする必要があります。その場合、鼻背がさらに低くなってしまうため、全体のバランスを取るには鼻背をもう少し高くする必要がありました。また鼻孔の広がりや鼻孔底の陥凹を認めました。

術中所見
鼻背部には細片化した肋軟骨を留置して鼻筋を作りました。また軟骨性斜鼻については肋軟骨を用いて修正しました。鼻尖部においては鼻軟骨の形成をしましたが皮膚の余剰が大きく、それを補う形で鼻尖に以前の手術で移植されていた耳介軟骨を重ねて移植しました。鼻孔底部は口輪筋の再建を行うことで引き締め、左鼻孔底には肋軟骨を移植しています。

鼻筋がしっかりと通り、正中化することが出来ています。側貌では鼻尖がやや低く垂れている状態(polly beak deformity)も改善を認めます。鼻根部ができることで、眼鏡がズレなくなったとのことでした。鼻尖位置を修正し鼻翼を引き締めることで正面視でも鼻翼形態が改善していることがわかります。
ご本人も形態改善に非常に満足して下さっています。ついでに、鼻根部ができることで、眼鏡がズレなくなったことも喜んでらっしゃいました。

文責:勝部

鼻修正術(隆鼻術、軟骨性斜鼻修正、鼻尖形成、鼻孔底引き締め、通鼻改善)

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右唇顎裂の20代、男性患者さんです。まだ術後1ヶ月ですので傷痕がまだ赤みがあります。
これまで鼻の治療は受けたことがないということで、成長も終了したので治療を受けたいとのことでした。
正面から見た左右差などを気にしてらっしゃいました。

術前所見
唇顎裂の方では鼻中隔軟骨の健側変位は必発であり、それに伴う軟骨性斜鼻を生じます。また、大鼻翼軟骨が後退している上顎骨に牽引されることで鼻尖の下垂を生じます。この患者さんでは、これらの症状を認めます。また、鼻骨の成長はこのような軟骨の要因とは別にしっかり成長しますのでその差がハンプとして認められていると思われます。手術によってスッキリした感じにすることを望まれましたが、鼻尖を前方に移動することで右鼻翼はスッキリしますが、左鼻翼の張り出しが残ることが想定されましたので左鼻翼縮小(外側法)も同時に行うことを提案し了承されました。また、決して鼻根は低くはないのですが、もう少し鼻根を高くすることでハンプを削らなくても鼻背のラインを直線化することが可能となることや鼻背長を長くすることで精悍で男性らしい顔つきになることから鼻根の隆鼻(augmentation)をご提案し了承されました。

術中所見
肋軟骨を使用して軟骨性斜鼻の改善および、鼻中隔軟骨の上顎骨への付着部の位置修正をしております。また、その際に左鼻孔から触れる前鼻棘を削って修正しています。正面視にて鼻孔の見え方がなるべく左右対象になるように大鼻翼軟骨を回転させるように修正しました。鼻尖の位置を術前のシミュレーション通りに持っていき、それに合わせて、鼻根部に砕いた肋軟骨を留置し鼻尖の上部にも肋軟骨を留置して鼻背のラインが繋がるようにしています。最後に左鼻翼縮小を行いました。

鼻筋が通り、鼻背長が若干長くなることで男性らしい顔つきになったかと思います。また、鼻翼の状態も左右差があまり目立たずスッキリした形態が得られています。まだ術後1ヶ月ですので傷跡は赤みありますが、これからほとんどわからないレベルになると思います。唇裂の患者さんにおいて、正面視での鼻孔の見え方をコントロールするのは非常に難しいのですが、左右差が目立たない位まで改善できていると思います。
また、唇裂の患者さんでは鼻中隔軟骨の変位変形に伴う通鼻障害が非常に多いため、耳鼻科の先生にお願いして通鼻改善の手術も同時に行わせていただいております。本患者さんでも通鼻手術を行っていただき、鼻の通りがすごく良くなったと好評でした。

文責:勝部

鼻形成術(鼻尖形成、鼻中隔延長、鼻骨骨切り幅寄せ)

 

 

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唇顎口蓋裂ではありませんが、生まれつきの低鼻変形の20代、女性患者さんです。
これまで鼻の治療は受けたことがなかったとのことです。長年悩んでらっしゃったようですが、改善を決心され治療を受けていただきました。

術前所見
顔貌としては目の間の距離が近く、小鼻を中心として中顔面に埋もれているため、顔面中央が陥凹して見える状態です。CTでは鼻骨の形成や前鼻棘は比較的認められましたのでBinder症候群とは異なる病態と考えられましたが、鼻先が非常に低く、鼻柱基部も頭側の入り込んでいることから鼻軟骨や鼻中隔軟骨の低形成が想定されました。
術前の画像検査では軟骨の低形成の度合いは測れないため、ご自分の鼻軟骨を使用できない場合は、昔から行われているようなL字に加工した肋軟骨を移植する方法を取らざるを得ないということもご了解いただきました。鼻翼(小鼻)基部や鼻柱基部が低いため、そこに肋軟骨または人工骨の移植もご提案しましたが希望されませんでした。

上記より、可能ならご自分の軟骨を再構築することで鼻尖を形成し、鼻中隔延長することで鼻柱基部も尾側に移動しACR (alar columellar relationship) の改善を図ることとしました。目の間の距離が近いため、鼻背を高くするとその状態がより強調されます。そのため鼻背の高さは変えず、鼻骨から鼻尖にラインが繋がるよう鼻尖を形成することとしました。また、鼻骨は幅広く変形してましたので鼻骨骨切り幅寄せも行うプランとしました。

術中所見
術前に想定された通り、鼻軟骨は低形成で薄く、また位置異常も認めました。しかし、鼻尖形成に使用可能と判断し鼻軟骨を前下方にしっかり移動し、肋軟骨での鼻中隔延長を行いました。出血などを抑えるためソノペットにて鼻骨骨切りを行い、新たに移動した鼻尖と鼻骨の間のギャップには砕いた肋軟骨を留置し陥凹を予防しました。

鼻先だけでなく、鼻翼基部や鼻柱基部などの周囲の陥凹も改善されたため、中顔面全体のバランス改善を認めます。上口唇の始点が移動できたため、伸ばされていた上口唇も短縮されています。鼻翼縮小はしてませんが、鼻尖が前方に移動することで鼻翼のたわみも解消し正面視でも鼻翼がスッキリして見えます。

文責:勝部

鼻形成術(鼻尖形成、鼻中隔延長、鼻骨骨切り幅寄せ、隆鼻、通鼻手術)

 

 

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右唇顎口蓋裂の20代、女性患者さんです。
これまで鼻の治療は受けたことがなかったとのことです。

術前所見
口唇裂に伴う外鼻変形として右鼻孔の下垂や軟骨性斜鼻を認めます。また鼻背が幅広く低いために、顔貌における立体感が少ない印象でした。また唇裂患者さんでは非常に多いですが、通鼻障害も認めました。

当初は鼻形成については変化するのが怖いということでしたので、3Dシミュレーションしたものをいくつかお見せして下記のプランをご希望されました。鼻根を少し高くし、鼻筋を通すために広い鼻骨を骨切り幅寄せする。そしてその鼻背からつながるラインで鼻尖を形成すること、下垂した右の鼻孔縁を頭側に挙上する。

術中所見
肋軟骨を使用して軟骨性斜鼻の改善および、鼻中隔軟骨の上顎骨への付着部の位置修正をしております。正面視にて鼻孔の見え方がなるべく左右対象になるように大鼻翼軟骨を回転させるように修正しました。鼻尖の位置を術前のシミュレーション通りに持っていき、それに合わせて、鼻根部に砕いた肋軟骨を留置して鼻背のラインが繋がるようにしています。

全体的な雰囲気として女性らしい印象は変化させたくなかったので、鼻背長が長くならないよう鼻尖と鼻根の上下的な位置関係は変わらないように手術しています。これまで鼻の形成を受けておられなかったため皮下瘢痕がなく皮膚の厚みが薄いため、細めに形成した鼻尖形状を反映しやかったと思います。立体感のあるスッキリとしたお顔になられたと思います。

文責:勝部

鼻形成術(鼻尖形成、鼻中隔延長、鼻翼鼻柱基部肋軟骨移植)

 

 

 

 

 

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先天性の低鼻変形の30代、女性患者さんです。診断はBinder phenotypeだと思います。論文的な診断基準は満たしてませんが、鼻中隔の低形成が原因の症状という意味では適合すると考えてます。中顔面や鼻の発生過程に関する研究で学位を取っているのでこの辺りについてはちょっとウルサいです。。。
さて、患者さん自身は幼稚園頃から自覚があり、これまで鼻の治療は受けたことがなかったとのことです。美容外科に受診し、そこからご紹介頂きました。

術前所見
外観上、明らかな低鼻を認めます。鼻中隔の形成不全に伴う上顎骨低形成および低鼻は認めますが、鼻骨についてはわずかな低形成に留まります。噛み合わせは問題ありませんでした。通常この様な顔貌の改善ではLe Fort骨切りが必要ですが噛み合わせが問題ないため適応はありません。また、軟骨性外鼻(下半分くらいの鼻)の低形成に伴う鼻閉症状もあるということでした。
普通は肋軟骨をL字に加工してドンっと留置する方法がよく行われます。しかし、その術式ではこの方の場合、鼻背が高くなりすぎることや鼻尖位置の細かな調整が効かないなどの問題があるため、使用する軟骨は肋軟骨ですがStructure rhinoplastyを応用することにしました。おそらく鼻閉の改善も狙えると考えました。中顔面の陥凹感は肋軟骨を鼻柱鼻翼基部に移植して嵩上げすることにしました。

術中所見
狙う変化量が大きすぎて、3Dシミュレーションはあまり役に立たず、あくまで目安として使用しました。鼻軟骨はやや低形成ながら使用することができました。鼻柱鼻翼基部に移植した肋軟骨にコルメラストラットを立て、非常に低形成な鼻中隔軟骨に固定したスプレッダーグラフトと繋ぐことで安定させました。またスプレッダーグラフトに落ち込んでいた鼻軟骨を持ち上げて縫合することで上鼻道を拡大させました。鼻尖位置と高さを微調整して最終的に鼻を形成しました。

鼻を含めた中顔面の立体感を出すことで劇的な変化を得ることが出来ました。患者さんには非常に喜んでいただきました。私も大変嬉しい!また、鼻閉も改善したとのことでした。初回手術とはいえ、移動量が大きい分、再度変形してくるリスクもありますので長期的に経過を見せて頂きたいと思っています。

文責:勝部

鼻形成術(鼻尖形成、マイルドな鼻中隔延長、左鼻孔底縮小、口唇修正)

 

 

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左唇顎裂の10代、女性患者さんです。
他院で鼻の修正も含めて治療を受けて来られましたが、当科での治療を希望され、最終的な口唇修正および鼻修正を当科で行うこととなりました。変形は軽微ではありますが、赤唇の瘢痕周囲の陥凹感、左鼻孔底の陥凹を認めます。外鼻形態については、あまり変えたくない、という希望でしたで左右差の解消のみを

術前所見
変形は軽微ではありますが、口唇部については赤唇の瘢痕周囲の陥凹感、左鼻孔底の陥凹を認めます。外鼻形態についてはあまり変えたくないという希望でしたので、鼻孔の左右差の解消および鼻柱の陥凹の改善のみを行う方針としました。鼻中隔軟骨のみを使用する方針としました。

術中所見
口唇については口輪筋の再建を含めてしっかりと形成しています。その際に鼻孔底の陥凹と鼻翼の形態を改善するように口輪筋の操作をしています。外鼻については、他院で行われた以前の手術が侵襲の少ない術式だったため鼻軟骨の損傷もほとんどなく、皮下組織や瘢痕も薄かったため軟骨形成の状態を皮膚が反映しやすいという点は条件が良かったと思います。また、鼻柱の陥凹は鼻孔形態の左右差に大きく影響している要素ですので、鼻中隔軟骨を移植して形成しました。

あくまで自然な形態という患者さんのリクエストをしっかり反映することが出来たかなと思います。患者さんも

文責:勝部

鼻形成術(鼻尖形成、鼻中隔延長、鼻翼鼻柱基部肋軟骨移植)

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先天性の低鼻変形の10代、女性患者さんです。原因疾患は別にありますが、顔貌はいわゆるBineroidです。論文的な診断基準は満たしてませんが、鼻中隔の低形成が原因の症状という意味では適合すると考えてます。

術前所見
外観上、明らかな低鼻を認めます。鼻中隔の形成不全に伴う上顎骨低形成および低鼻を認め、鼻骨についてもほとんど隆起を認めない状態でした。噛み合わせは問題ありませんでした。通常この様な顔貌の改善ではLe Fort骨切りが必要ですが噛み合わせが問題ないため適応はありません。また、低鼻変形による、主に外鼻弁狭窄による鼻閉症状もあるということでした。呼吸するには鼻を持ち上げる必要があるとのことでした。
今までのこういった患者さんに対する手術はL字に加工した肋軟骨をドカンと入れるというものでした。ただ、この場合は鼻尖の位置や高さを細かく調整できない、術後変形のリスクが高い、通鼻状態は変更できないなどなどの問題点があります。そのため、それらを解決して審美的、機能的に満足いく鼻を形成するために鼻中隔延長術を選択しました。鼻中隔延長術は鼻中隔によってその構造が保たれますので、問題になるのは「この患者さんに鼻中隔はあるの?」ということでした。実際には手術してみないと分かりません。しかし、病態を考えると低成長ながらも鼻中隔は存在しているはずです。因みに全前脳胞症という疾患などでは鼻中隔が存在しないということがあります。困難な疾患や病態ほどその成り立ちから治療を考慮する必要があると思います。脱線しましたが、、、鼻中隔延長術を第一選択、もし無理ならL字肋軟骨移植を準備して手術しました。中顔面の陥凹感は肋軟骨を鼻柱鼻翼基部に移植して嵩上げすることにしました。

術中所見
狙う変化量が大きすぎて、3Dシミュレーションやフォトショップを使ったシミュレーションはあまり役に立たず、あくまで鼻尖を立てる方向性の目安として使用しました。鼻軟骨はやや低形成ながら使用することができました。鼻柱鼻翼基部に移植した肋軟骨にコルメラストラットを立て、非常に低形成な鼻中隔軟骨に固定したスプレッダーグラフトと繋ぐことで安定させました。またスプレッダーグラフトに落ち込んでいた外側鼻軟骨を持ち上げて縫合することで上鼻道を拡大させました。鼻尖位置と高さを微調整して鼻尖を形成しました。そこにつながるように鼻背に肋軟骨ブロックを留置しました。ブロックでは術後に変形するリスクがありますが、鼻骨の骨膜による圧力が強すぎて粉砕した肋軟骨では形態が保てなかったためブロックを選択しました。

鼻を含めた中顔面の立体感を出すことで劇的な変化を得ることが出来ました。患者さんは大変喜んで頂き色々な面で更に前向きになられたと思います。そういう精神面も含めてより良くなる手助けが出来た時が形成外科医として一番嬉しいですね!また、鼻閉も改善したとのことでした。初回手術とはいえ、移動量が大きい分、再度変形してくるリスクもありますので長期的に経過を見せて頂きたいと思っています。

文責:勝部

鼻形成術(鼻骨骨切、鼻尖形成、鼻中隔延長、右鼻翼拡大、左鼻翼縮小、通鼻手術)

   

 

      

 

              

   

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右唇裂鼻変形の10代、女性患者さんです。
幼少期の外鼻形成手術歴があります。

術前所見
わずかですが斜鼻変形を認め、鼻尖が左に向いています。唇裂患者さんでは典型的といえますが鼻尖の下垂も認めます。また、右鼻翼基部の位置異常により、ただでさえ低形成な患側鼻翼が小さくなり、鼻孔の左右差がかなり大きい状態でした。この鼻翼位置異常は初回口唇形成術後から認めています。

術中所見
片側唇裂の患者さんでは軟骨性斜鼻(鼻の下半分)はほぼ必発であり、骨性斜鼻(鼻の上半分)を同時に認めることも多くあります。鼻骨骨切りをして斜鼻修正しました。鼻中隔軟骨は上顎骨から一旦外して付け直しを行い、湾曲変形も矯正したあとで鼻中隔延長を行いました。これだけの矯正などをするには移植材料と強度の面から肋軟骨でしか対応できません。
最終的に鼻尖の高さなどを、術前シミュレーションに従って軟骨移植で微調整しました。最近はVectraとPhotoshopを併用してシミュレーションしています。
更に唇裂側の鼻孔縁には陥凹が残ってしまうのでrim graftをします。
右の鼻翼基部には粉砕した軟骨を注入するいわゆる貴族手術を行なっています。唇裂の患者さんでは持ち上げる力に抵抗する瘢痕などがあるため若干不利ではあります。
最後に右鼻翼が内側に入りすぎていたためZ形成術を応用して外側に引っ張り出しています。左鼻翼については左右差を整えるため少しだけ鼻翼縮小(鼻外法)をしています。

しっかりと鼻尖位置を挙げることで鼻翼基部や鼻柱基部の陥凹感も改善することができます。下から持ち上げる貴族手術や猫手術だけでなく、状態によっては鼻尖挙上のみでも立体感が出せていると思います。
全体的にスッキリとした綺麗なプロファイルとなり、ご本人の雰囲気に馴染んでいると思います。

文責:勝部

2. 初回口唇形成術

口唇形成術

  

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右唇顎口蓋裂の患者さんです。術後5ヶ月。

顎裂幅は広く右鼻翼位置がかなり後退していました。

口輪筋や鼻翼位置をしっかり合わせて形成しています。

文責:勝部

口唇形成術

 

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右不全、左完全唇顎口蓋裂の患者さんです。術後2年。

口輪筋や鼻翼位置をしっかり合わせて形成しています。

文責:勝部

口唇形成術

 

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両側唇顎口蓋裂の患者さんです。術後1.5年。

口輪筋や鼻翼位置をしっかり合わせて形成しています。

5歳頃の鼻柱形成時に利用することを見越して鼻幅はやや広めにしています。

文責:勝部

口唇形成術

 

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右不全唇顎裂の患者さんです。術後1年。

口輪筋や鼻翼位置をしっかり合わせて形成しています。

文責:勝部

口唇形成術

 

*画像の転載、複製、改変等は禁止

両側唇顎口蓋裂の患者さんです。術後10ヶ月。

口輪筋や鼻翼位置をしっかり合わせて形成しています。

まだ若干瘢痕が見えますがもう少し目立ちにくくなります。

文責:勝部

口唇形成術

 

*画像の転載、複製、改変等は禁止

左不全唇裂の患者さんです。術後6ヶ月。

口輪筋や鼻翼位置をしっかり合わせて形成しています。
まだ若干瘢痕が見えますがもう少し目立ちにくくなります。

文責:勝部

口唇形成術

 

*画像の転載、複製、改変等は禁止

左完全唇顎裂の患者さんです。術後1年。

左鼻翼を前方にしっかり移動して鼻翼位置を調整しています。
鼻の歪みについては今後経過をみて、必要に応じて修正手術などを行います。

文責:勝部

3. 口唇修正手術

口唇修正術(口輪筋再建、鼻翼基部軟骨移植)

 

 

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左唇裂の20代の男性で、口唇部に対して成人後も数回の治療を受けてらっしゃいました。治療は一旦終了と言われたけどもう少し良くしたいということで受診されました。

術前所見
一見大きな問題はなさそうですが、口輪筋の縫合位置などの問題から歪みを生じています。髭が生えている部分の輪郭が若干左が低くなっています。またそれに伴って左鼻翼の落ち込みを認めました。赤唇部についてもわずかに陥凹を認め、連続性の改善が必要と考えました。白唇部から赤唇まで切開しなおして口輪筋の再建と鼻翼基部への耳介軟骨移植を計画しました。

術中所見
白唇部から赤唇まで切開しなおして口輪筋の再建と白唇部の上部余剰皮膚を切除しました。また鼻翼基部へは耳介軟骨移植を行いました。

術後1.5年ですが、特に問題なく、ご本人も満足されたため治療終了となりました。

文責:勝部

口唇修正術(口輪筋再建、鼻翼基部軟骨移植)

 

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左唇裂の6歳の男児で、他院にて初回口唇形成術を受けフォローされておりましたが、修正についてのセカンドオピニオンとして当科受診されました。

術前所見
左唇裂について口唇形成術を施行されてますが赤唇縁のズレや口輪筋のアンバランスを認めます。中央唇の厚みが不十分です。また、右側にも不全唇裂が存在してますが、なぜか治療されていませんでした。

Point:赤唇は乾いた部分 (dry lip) と湿った部分 (wet lip) に分けられますが、dry lipは非常に貴重であり赤唇中央ではその厚みが重要となります。wet lipが前に露出していると日常的に唇にカサブタが出来たりします。

術中所見
手術回数を減らすため、両側唇裂の手術のように両側同時に手術を行いました。また赤唇中央の厚みを形成するため両側からdry lipを挿入しています。

術後2年です。中央唇の厚みも良好に維持され、赤唇結節様の形態ができています。口唇は動きの大きい部位であり、感情を伝えるためにも非常に重要な部分です。コロナの影響が薄れてマスクを外せる様になれば尚更ですね。ですので、静止している時だけでなく表情を作った時も自然になるように口輪筋再建も工夫しています。患者さんによって改善効果は異なりますが、本患者さんでは自然な動きになってきていると思います。

これからも成人期まで長期的に経過を見させて頂く予定です。

文責:勝部