レーザー治療
以下の疾患に対してレーザー治療を行っています。
【受診・ご紹介いただく方にお願い】
出生後、レーザー治療対象疾患が疑われる場合は、早期に治療を開始するため、早めに受診・ご紹介ください。
最短で生後数日から治療を開始いたします。
I.血管系病変
形成外科ではSyneron Candela社の色素レーザー装置Vbeam (ブイビーム)を導入して治療を行っています。2022年7月に最新機種のVbeamPrimaに更新しました。大口径15mm での照射が可能です。血管内のヘモグロビンに吸収されやすい波長のレーザーを照射することで異常な血管の減少、色調の改善をもたらします。色素レーザー装置は、レーザー照射前に皮膚を冷却するガスを噴射することで安全に治療できますが、当科では冷風式冷却としてさらに合併症の軽減や治療効果の改善を得ています。また、レーザーの照射条件設定において独自の工夫を行っており、治療効果を改善しています。
健康保険適応の治療対象疾患は以下の通りです。
単純性血管腫(毛細血管奇形);赤アザと呼ばれているものです。出生後なるべく早く、乳児期より頻回の治療を実施することでレーザー治療の効果が高まります。基本的に無麻酔、または麻酔ゲルによる照射としています。眼瞼でもレーザー用コンタクトシェルを使用すれば照射可能です。日帰り全身麻酔での照射も行っています。
イチゴ状血管腫(乳児血管腫);自然に退縮していくので従来は経過観察のみでしたが、初期よりレーザー治療を行うことで様々なよい効果が得られます。最近は連携病院の小児科と連携しβブロッカー(ヘマンジオルシロップ)の内服療法も積極的に行っています。ヘマンジオルシロップの内服開始は入院にて行うこととされており、数日間の入院が必要です。
毛細血管拡張症;クモ状血管腫など。詳細は診察においでください。
Vbeam治療での瘢痕などの困りごと;非常に残念なことですが、Vbeam治療はきずあと(瘢痕)を生じることがあり、対応を行っています。ご相談ください。
II.メラノサイト系病変
形成外科には、Qスイッチ付ルビーレーザー(The Ruby Z1 nexus:JMEC社)と、Qスイッチ付きアレキサンドライトレーザー(ALEX LAZR, Syneron Candela社)があります。2024年8月に三波長ピコセカンドKTP/Nd:YAGレーザーPicoway(Syneron Candela社)を導入しました。
The Ruby Z1シリーズはnexusとなり、特に異所性蒙古斑の治療結果の合併症の少ない治療が可能です。
保険適応疾患は下記の通りです。
太田母斑;顔面の青~青褐色調のアザです。数回のレーザー照射でうすくなっていきます。
異所性蒙古斑;大きなもの、色調の濃いもの、臀部以外にあるものは自然に消えにくいのでレーザー治療を行うことがあります。
扁平母斑については、ルビーレーザーでの対応となります。小児の顔面のものは治療成績が良いです。
III.その他
外傷性刺青;ケガにより創にアスファルトやゴミが入って黒~青色に見える状態にもレーザー治療が可能です。
減毛用レーザー;Synelon Candela社のGentle Max Pro およびMedical U& A社のMediostar Pro Nextを保有しています。
皮膚腫瘍や瘢痕など;CO2レーザーとして、Medical U&A社のUAL3000DP、Lumenis社のAcuPulseを保有しています。
病的でない、美容目的の治療や、保険適応外の治療については当科関連施設であるSD 美容クリニックにて治療を行っています。
レーザー治療について
現在、保険適応疾患に対し、治療が可能です。
自費でのレーザー治療については、「病的状態における多毛」に対し、レーザー照射を行っています。
実際にレーザー治療が可能かどうかなど、診察しないとわからないことが多いので、不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
(レーザー治療外来:片山)
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