耳介再建
小耳症
当院では、国内における小耳症の手術の約4割を手がける札幌医科大学で確立された「四ッ柳法」に準じた肋軟骨移植による耳介形成術を行っています。担当医は、優れた術式の全国的な普及を目的として開催されている「日本耳介再建学会」に参加しています。
外耳道閉鎖症を伴う場合には、耳鼻咽喉科と連携して治療計画を立てています。
・初回手術
片側例では右側の第6〜第8肋軟骨を採取し、耳介の形態に合わせた軟骨フレームを作成し、適切な位置になるように皮膚の下に移植します。体格によっては第9肋軟骨を追加で採取することもあります。入院期間は術後7〜10日程度が必要です。
・2回目手術
移植した軟骨を持ち上げて立体的な耳の形態とします。持ち上げた軟骨の裏面には別の部位から採取した皮膚を移植(植皮)する必要があります。皮膚の採取部位は腹部が一般的です。術後は植皮が安定するまで約2週間の入院が必要です。
この他、元々の小さい耳があったことによる皮膚の隆起を修正する手術を、初回手術から2回目手術の間に行っています。場合によっては、2回目手術の後に修正手術を行うこともあります。
・再建した耳介からの発毛について
耳介を形成する位置の大部分に頭髪がある場合には、初回手術の際に頭皮を一旦切除して、植皮に置き換える必要があります。小範囲の発毛については、2回目手術の際に大部分除去することができますが、それでも残った場合には、レーザーによる脱毛が可能です。
その他の先天性耳介奇形
埋没耳、折れ耳、副耳などに対する手術も行っています。
